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【食でつながるコミュニティ】

『おいしい』の感じ方に個人差があるのはなぜ?『おいしい』のメカニズムを解明!

なぜ人は
『おいしい』と感じるのか?

『おいしい』の感じ方が
人によって違うのはどうしてなのか?

おいしいのメカニズム
を徹底調査!f:id:foodtag:20210603235652j:image

2024.4/26
項目の追加と
一部文章の修正をしました。
2021.6/4
一部内容を修正しました
2021.10/5
一部文章の修正をしました

『おいしい』とは?

『おいしい✨』
という感覚は人それぞれ違います。

他人が『おいしい』と言ったものでも、
自分が食べると
『おいしくない…』
と感じる事はよくありますよね。

生まれ持っての感覚や食文化に
個人差があることも理由のひとつですが、
物を口にした時の
体調ストレス度によっても
味の感じかたは変わってしまいます。

どうやら
『おいしい』という感覚には
私たちがまだ知らない真実が
隠されているようです。

『おいしい』という感覚

『おいしさ』とは

味覚(みかく)

視覚(しかく)

聴覚(ちょうかく)

嗅覚(きゅうかく)

触覚(しょっかく)

この五感で感じ取っています。

さらに

温覚(おんかく)

冷覚(れいかく)

痛覚(つうかく)

圧覚(あっかく)

この4つを加えた局所的感覚とあいまって
『おいしさ✨』
を判断しているわけです。

これだけ多くの感覚で
『おいしい』『おいしくないか』
を判断しているわけですから、
人によって感じ方が違うのは当たり前だと
お分かりいただけるかと思います。

味覚を感じる器官『味蕾』

f:id:foodtag:20210604000042j:image

舌には、
旨味や塩味、甘味、酸味、辛味など
味を感じ取るための
『味蕾(みらい)』
と呼ばれる器官があります。

この味蕾は、
成人でおよそ5000個ありますが、
年齢を重ねることで
その数は減少していきます。

つまり
年齢の違いによっても
味の感じ方は違ってくるのです。

『おいしい』と感じる要因に
『味覚』は殆ど影響しない?

ある実験の統計では、
五感のうちの『おいしい』と感じる要因に
味覚1~5%に過ぎなかった
というデータがあります。

つまり
『おいしい』と感じるのに、
食べ物の味の良し悪しは
ほぼ関係ないということになります。

では、
『おいしい』と感じる
最も大きな要因は一体何だったのでしょう?

それはズバリ視覚です。

なんと
80%以上の割合を視覚情報が占めている
という統計が出ているのです。

嗅覚、触覚、聴覚を合わせても
15%程度しか影響していません。f:id:foodtag:20210604000319j:image

『おいしい』を検証

これを立証する為の簡単な実験があります。
自分以外の誰かに
目隠しをして鼻をつまんでもらい
視覚と嗅覚を奪ってしまいます。

そこへ
小さめの正立方体にカットした
生の大根を用意しておき、
順番に食べて貰います。

すると舌で触感はわかったとしても、
『味はわからない』
『何を食べているのかわからない』
と言うのです。

仮に
『どちらかが大根でどちらかが梨です』
という情報を与えたとしても、
人によっては
梨と大根の区別すらできません

この実験から
人は視覚情報を奪われると、
何を食べているかだけでなく
味さえも曖昧になってしまう
ということが立証されたのです。

『おいしい』メカニズムの正体f:id:foodtag:20210604000634j:image

人間はまず、
物の形や色を目で見て、
その匂いや手触りなどの情報を感知します。

そこから脳の海馬にある
過去の記憶から、
『大根』や『梨』といった情報を引き出し、
照らし合わせ
その物が何なのかを認識しています。

この過去の記憶を判断の基準として

大根はおいしい➡大根は好き

大根はおいしくない➡大根は嫌い

というように感情に現れるのです。

おいしいという記憶が一度植え付けられると
同時に好きという感情にも
影響しているということです。

逆に
一度おいしくないと植え付けられると、
食わず嫌いになってしまうわけです。

すなわち、
【味覚】という感覚は、
味の良し悪しはわかっても
『おいしいか』『おいしくないか』
視覚をメインとしたあらゆる感覚と
過去の記憶を重ねることで
初めて感じ取れるのです。

幼い頃から慣れ親しんだ味が
『記憶』として残っていれば、
それと似たような味に出会えば
懐かしいおいしい✨
と感じることもあるでしょう。

逆に
出会ったことの無い味に出会えば、
記憶に無い初めての感覚に困惑し、
『おいしい』とは
感じにくいかもしれません。

どんな条件であっても、
脳は記憶の中の最も近い味を探して
それと比較することで

『好き』『嫌い』
『おいしい』『おいしくない』
を判断していることになります。

人それぞれ
生きてきた環境や食生活が違えば、
おいしいと感じる感覚が
人それぞれ違って当たり前なのは、
こうした記憶の違いによるものなのです。

おいしいと感じる
視覚的情報

f:id:foodtag:20210604000817j:image

とはいえ、
この直感的な感覚と物の色や形だけで
『おいしい』という感情の
すべてが満たされるとは限りません。

せっかく料理の味が良いのに、
景色や照明が暗い料理の見た目が悪い
テーブルが汚いといった環境下では
『おいしい』の感情も
左右されることでしょう。

『おいしい』と感じる視覚情報の内訳

料理や食材5%
テーブル上の食器や小物30%
周囲の景色65%

このように視覚情報を分析してみると
目の前の物というよりも
全体的な景観
『おいしい』
という感情に
かなり影響していることがわかります。

料理の見た目はもちろん、
お皿やカトラリー
卓上の花キャンドルなどの
テーブルコーディネート、
そして
食空間を彩る景色
『おいしさ』
重要なエッセンスとなっている
ことがわかります。

以上のことから
『おいしい』という感覚は
『味覚』だけで感じ取るものではない
ということが
お分かりいただけたかと思います。

 

料理は愛情!

「料理は愛情」

こんな言葉を
聞いたことがありませんか?

料理は愛情を込めて作ることでおいしくなるという名言です。

では、「愛」という「感情」で
料理は本当においしくなるのか?

例えばお母さん。

毎日の献立を考え、
栄養価を考慮した食材を厳選し
食べ飽きないように
味付けを工夫したり、
見た目に彩を加えたりと、
子供の成長と健康を考えた
料理を作ります。

このように食べる人のために
考え、試行錯誤し、
努力と工夫のうえに
出来上がった料理は、
「愛情のこもった料理」と
言えるでしょう。

では、
この「愛情のこもった料理」が
「おいしい」かどうか?
という本題。

これは食べる側の問題
になってきます。

作った側は
「こんなに一生懸命に
 作ったのだから
 おいしいに決まっている」
と自負していても、

「おいしい」か
「おいしくない」か
という評価は
あくまで食べる側に
委ねるしかないのです。

そうなると、
今度は食べる人が
作った人の
考えや想いや努力の工程を
どれほどイメージして
食べることができるか?
ということが重要になってきます。

つまり、
食べる側の作り手への愛情も
必要になってくるわけです。

例えば恋人が
自分のために朝早く起きて
お弁当を作って来てくれた。

「蓋を開けると
 不格好ではあるけども、
 色とりどりで
 様々な種類のおかずが並んでいる。

 恋人の努力の様子が浮かんできて、
 一口食べると
 なんとも
 あたたかい気持ちになった。」

食べた側は、
味や見た目はともかく
そこに
作り手の「愛」
を感じたことでしょう。

その愛に答えるべく
人は作り手に対し愛情をもって
「おいしい」
と表現するのです。

「料理は愛情!」

これは料理の作り手と食べる側、
双方の愛情が重なることで見えてくる
「おいしい」の表現の一つ
と言えるのではないでしょうか?

『おいしい』のまとめ

屋外で食事をすると
なぜかいつもより
『おいしい』
と感じることありませんか?

子供の頃、
林間学習で作ったカレーがおいしかった。

あるいは
友人と行ったキャンプで
夜空の星を眺めながら食べた
バーベキューがおいしかった。

これらは味覚が与えた
『おいしさ』ではなく、
周囲の景色や、肉や野菜が焼ける匂い、
人々の賑わいや
騒がしさなどの感覚に起因したものが
『おいしい』記憶となって
残っているのでしょう。

ビアガーデンのように
夏の屋外で飲むビールが
『おいしい』と感じるのも、
高い気温と冷たいビールの温度差や
夏の匂い、空気感などが
「いつもよりおいしい」と
錯覚させているのかもしれませんね。

⚠️注意

統計や検証に基づいた
見解ではありますが、

必ずしも全ての人に
当てはまるわけではありません。

あくまで感覚には個人差があります。

ご了承くださいませ。

最後までご覧いただき
ありがとうございました。