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『飲食店』繁盛店の作り方【責任者がやるべき3つの業務】

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数ある飲食店の中から一歩抜け出す為に必要なことは、奇抜なアイデアや商品ではありません。

もっと根本的で簡単なことを見落としているのではないでしょうか?

それは人に寄り添うことであり、数字の核心を突き、無駄を無くして業務を減らすこと。

そんな単純な話なのかもしれません。

◼️目次◼️

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責任者がやるべき3つの業務

1.経営者の思想や理念を踏まえた、理想の店舗像をスタッフ全員(アルバイトも含める)に理解させる。

2.月の目標売上高と日割り目標売上高を店舗内で共有する。そして『人時売上高』をスタッフのモチベーションとする。

3.店舗責任者は自店の『損益分岐点売上高』に基づいた財務管理。

まずは、この3つをチェックして売上アップに繋げましょう。

1.理想の店舗像

店舗責任者は経営者に成り代わって、店の存在価値を世に表現する立場にあります。

経営者が『こういう店にしたい』という理念を元に店舗責任者は店作りの具体策をスタッフ全員に共有しなければなりません。

例えば、

『店内の雰囲気、居心地を重視した店』

『お客様の満足度を求める店』

『料理に力をいれた店』

これらすべてが出来ればそれは理想的ですが、欲張りはいけません。まずは特化して出したい店の魅力を追及しましょう。

このような、店舗が発信するテーマやコンセプトはもちろん、スタッフにどんな仕事を求めているかを明確に示してあげることです。

店舗責任者は経営者ではないのでお金を動かすことはできません。その代わりに人を動かすという大事な使命を担っています。

店舗の質は人材の質と言っても過言ではありません。

スタッフを上手にコントロールし、理想の店舗を作り上げることです。

2.目標売上高の共有

店舗責任者は毎日その日の勤務スタッフに、前日の目標売上高の達成率、そして本日の目標売上高を連絡しましょう。

営業前に当日勤務者全員と顔を合わせることは難しいので、グループLINEなどのSNSを使って勤務前に連絡してもよいでしょう。

この時大事なのは、本日の目標売上高だけでなく、前日までの目標売上高達成額がいくらプラスマイナスしているかも伝えます。

プラスならスタッフ全員の労をねぎらい、マイナスであれば次のように伝えます。

例えば、月の2日目。

本日の日割り目標売上高は40万円とします。

前日の目標売上高がマイナス10万円なら、実質50万円売り上げないと、本日付けの月の目標達成率は100%にはなりません。

ですから実質その日の目標売上高は50万円と伝えなければいけません。

大抵のアルバイトは『今日○時間働けば、○円貰える』としか考えていません。

こういう働き方をさせていると、『勤務時間内に言われたことだけやってればいい』という消極的な働き方になるので、利益を生み出すような人員には成り得ません。

そこで店舗責任者は、1日に働く人員の1人あたりが勤務時間内にいくら売らなければならないかを把握しなければならなくなります。

人時売上高(にんじうりあげだか)

例えば、1日に浮いた人員(本来必要ない人員)を1人多くシフトに入れ続けるとします。

時給1‚000円で8時間働いていれば日給は8‚000円です。

これが365日続けば、292万円。

複数店舗抱える企業なら、10店舗で年間2‚920万円無駄にすることになります。

1店舗の数ヵ月分の売上げに匹敵する額です。

それくらい店舗の必要人員数の決定は、重要な指標の1つであると言えるでしょう。

これに気がつかずに『明日は忙しそうだから』と曖昧なシフト調整をしている責任者は少なくありません。

そこで適正なシフト作成をするために、まずは『人時売上げ高』を分析してみましょう。

人時売上高とは『スタッフが1時間働いた時、いくらの売上を得ることができるか』ということです。

【人時売上高=目標売上高÷総労働時間】

例えば、ある1日の売上高が30万円だったとします。

全スタッフ(社員+アルバイト)合わせて『15名』で、1人あたり『10時間』働いたとします。

すると総労働時間は『15名×10時間』なので『150時間』です。

この場合『人時売上高』は、30万円÷150時間=2,000円です。

全スタッフの平均時給を1,000円とした場合、『1時間に1人あたり1,000円の時給を支払って2,000円の売上高しか上げていない』ということになります。

人件費1,000円÷人時売上高2,000円=50%

つまり『売上高の半分が人件費で消えている』ということです。

ここから経費などを差し引いたら、利益はほぼ残りません。

この店は、このような悲惨な状況にあるということです。

飲食店において、人時売上高の目安は1日に4,000円~6,000円です。

試しに自店の人時売上高を計算してみてください。(月の場合は月の目標売上高と月の総労働時間で計算します。)

シフトを作成する際は、『週末は忙しいからいつもより人を増やしておこう』等というフワッとした考え方ではダメだとわかるでしょう。

目標売上高を達成する事ばかりに捕らわれず、その売上高を生み出す為に何時間の総労働時間を費やしたか、という視点で管理することが重要なのです。

⚫️人時売上高の良いところ

そもそも店長以外の従業員やアルバイトは、売上高や目標予算に対して興味関心がありません。

『人件費率30%だから』とアルバイトに説明しても、ピンとはこないでしょう。

しかし、『今日の人時売上高4,000円ね』と言えば簡単に説明できます。

『あなたは1時間で4‚000円分の商品を売れるように頑張ってください!!』

これで済むのです。

人時売上高は簡単に計算できます。

毎日営業後に人時売上高を計算して、1人あたりが4‚000円を越えていたら、『ありがとう、ご苦労様』と労をねぎらってあげれば良いし、越えてなければ、閉店後に5分程度、商品のススメ方やお客様とのコミュニケーションの取り方を教えてあげれば良いのです。

3.財務管理

飲食店の経営には『業務』と『財務』の2つの大きな流れがあります。

店舗責任者は商品を販売する『業務』の流れは理解していても、『財務』はあまり理解していないようです。

実情は『誰も教えてくれないから』という何とも残念な解答がほとんど。

教えてもらえないなら自分から勉強してみませんか?

財務のメカニズムを理解すれば、闇雲なコストカットがいかに無意味かがわかるでしょう。

損益分岐点売上高

損益分岐点売上高とは、売上高と経費(固定費+変動費)の総額が同じである時の売上高(収支がトントンの時)のことです。

これが飲食店経営において基準となる数値です。

  • 売上高が損益分岐点を上回れば黒字。
  • 売上高が損益分岐点より下回れば赤字。

ということです。

(損益分岐点を表すグラフ)

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(P=損益分岐点)

売上高に平行して固定費線があり、その上に売上高に比例して、変動費線があります。

変動費線が売上高線と交わる点(P)が損益分岐点売上高となります。店舗を維持するために最低限必要な金額ということです。

限界利益

売上高から変動費を差し引いた金額で、この限界利益が固定費と同額になった時点が損益分岐点売上高となります。

限界利益計算式

【限界利益=売上高-変動費】

【限界利益=固定費+利益】

限界利益率

売上高が増加したときに、限界利益がどれだけ増加するかという割合を示します。

限界利益率計算式

【限界利益率=1-(変動費÷売上高)】

限界利益率こそが売上高の増減に伴う企業の利益の増減そのものとなります。

変動費比率

売上高と変動費との比率で、売上高に対して変動費がどの程度あるのかで変動費の割合を見ます。

【変動費比率=変動費÷売上高】

経営者はまず、変動費を回収していき、その次に固定費を回収していき、両方回収して初めて利益が発生します。

損益分岐点売上高の計算式

損益分岐点売上高=

【固定費÷(1-変動費比率) 】

【固定費÷限界利益率】

以上の2つの式から求めることができます。

損益分岐点売上高の計算例

(表①)

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表①から変動費の合計は64%で固定費の合計は135万円。これを上の式に当てはめると、1ヶ月の損益分岐点売上高=

135万円÷(1-0.64)=375万円

1ヶ月の営業日数を25日とすると、

375万円÷25日=15万円

この店は、『1日に15万円以上売らないと利益が出ない』ということです。

損益分岐点比率

損益分岐点比率の割合が低いほど収益性が高く、赤字耐性が強く、経営が安定していると言えます。80%以下ならかなり優秀です。

損益分岐点比率の計算式

【損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷売上高】

目標売上高(目標利益達成売上高)

目標利益も固定費と考えてしまえば目標利益を確保できる必要売上高を以下の計算で求めることができます。

つまり絶対的に必要な利益を出したい場合、固定費に利益分を含めてしまうわけです。

目標売上高の計算式

【目標売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率】

目標売上高の計算例

例えば、目標利益を45万円として、上の表①を使って導くと、目標売上高=

(135万円+45万円)÷(1-0.64)=500万円

となります。月25営業日とすると『1日20万円売れば月45万円の利益を得ることができる』というわけです。

目標売上高を確保したい

また、利益を出したい場合は以下の3つの方法で損益分岐点売上高を下げる必要があります。

  1. 固定費を下げる(社員の基本給を下げて、出来高制にするなど)
  2. 変動費比率を下げる(人件費、光熱費、理論原価)
  3. 売上高を上げる

正直言って、これができるくらいなら誰も苦労はしません。3に至っては論外です。

とはいえ、無駄な経費は必ずあります。

無理に人件費や光熱費をカットする必要はありませんが、無駄は排除しなければなりません。

料理1つ取ってみても、見た目の為とはいえ、本来の料理の味には関係無い『色味野菜や飾りのハーブ』に無駄なコストを使っていませんか?

料理の味に必要ないものは外しましょう。

ピーク時間を過ぎてもピーク時と同じ数の人員を配置していませんか?

人員が多ければ仕事は楽になりますが、経営は楽にはなりません。

例えば、時間帯人員数は30分単位でシフト管理してみてみましょう。

無駄に1時間単位で働かせる必要はありません。

暇な日はアルバイトに早く帰ってもらう。経営を維持するために、時には心を鬼にしなければなりません。

目標売上高の適性

そもそも、店舗の損益分岐点売上高がわかれば、目標売上高が適正であるか判断できます。

利益欲しさに法外な高い目標を立てるより、損益分岐点売上高の平均値を見て現実的で妥当な目標売上高を設定しましょう。

もちろん経営者が生活に困らないくらいは売って貰わないといけませんが。

高すぎる目標は逆にスタッフのモチベーションを下げてしまいます。

働いているのは人間ですし、この人達次第で売上高は大きく変化します。

人材育成に取り組む事も売上高を上げる為には重要なポイントです。

おまけ

理論原価と実際原価について

理論原価とは、レシピ通りに全ての調理が行われたときの食材費(原価)の総額のことです。

【理論原価率(%)=*理論原価÷売上高×100】

*理論原価=各商品の理論原価×出数

500円で仕入れた物を1‚000円で販売して100個売ったら10万円の売上高になります。

この時の理論原価率は【5万円÷10万円×100=50%】となります。

実際原価とは、当月に使った原材料費のことで、理論原価よりも数値は高くなります。

実際原価>理論原価

ロスの原因

この理論原価と実際原価の差の原因の究明こそが、ロスの削減に繋がります。

ロスの原因は

『仕込みロス』『廃棄ロス』『まかない』

等です。

理論原価と実際原価の差があまりにも大きい場合は従業員と共有して、店全体で対策に取り組むことで早急な原因究明と改善策を打ち出すことができます。

理論原価率と実際原価率の差は3%前後であれば許容範囲内です。

ロス高、ロス率の計算

【ロス高=商品単価×廃棄量】

【ロス率=ロス高÷売上高×100】

ロス高とロス率の計算例

1000円の商品を100個売って5個余ったとします。売上高は10万円。

ロス高=1000円×5個=5千円

ロス率=5千円÷10万円×100=5%

ロス率は5%前後が一般的な目安です。ロス高を出す場合には、食材原価ではなく1商品の販売価格で計算します。お間違えのないように。

ロスを減らすには、仕入れ過ぎない、仕込みすぎない、オーバーポーションをしないことです。

読んでくださってありがとうございました。