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夏に食中毒が多いのはどうして?【家庭の食品衛生学】

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【改訂日06.11.2021】

いよいよ夏です

今年も
食中毒
が増える季節がやってきます!

この時期の腹痛や下痢は、
冷たい水分の摂り過ぎだと思いがちですが、
仮にそれが軽症であっても
実は
何らかの食中毒に
感染しているかもしれません。

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夏場に食中毒が多い理由

食中毒が最も多くなる時期
湿度が高くなる
6月から7月
そして
8月下旬頃から9月
とされています。

ノロウイルスなどの

ウイルス性の食中毒は
11月~3月が要注意です!

食中毒を引き起こす細菌にとって、
高温多湿
増殖する最適な条件!

すなわち
雨期の湿度や夏の気温は食中毒菌にとって
増殖する最高の環境なのです

また
8月下旬頃から
食中毒がピークを向かえる理由として、
夏バテ等による
体力、抵抗力の低下
1つの原因であると言えます。

体が弱っていると
食中毒に掛かりやすい
ということを覚えておきましょう。

このような
食中毒と呼ばれる細菌性食中毒には、
原因菌に汚染された飲食物を摂取した後
菌が腸管内で増殖して発症する
【感染型食中毒】

原因菌が
飲食物中で増殖する過程に毒素が作られ
このような飲食物を摂取して発症する
【毒素型食中毒】
2つがあります。

【主な感染型食中毒】

  • サルモネラ菌
  • カンピロバクター
  • 腸炎ビブリオ
  • 病原性大腸菌
  • ノロウイルス

【主な毒素型食中毒】

  • 黄色ブドウ球菌

  • ボツリヌス菌

食中毒予防の3原則f:id:foodtag:20210604181051j:image

厚生労働省は、
『食中毒予防の3原則』
を次のように発表しています。

1・食物に細菌を付けない→必ず手洗い
2・細菌を増やさない→すぐに食べる
3・付着した細菌をやっつける→加熱
(出典   厚生労働省)
食中毒|厚生労働省

細菌はウイルスやカビと同様に
衛生微生物と呼ばれ、
人や動物の体内に侵入して
病原性を発揮します。

1.手洗い

食中毒に限らず多くの感染症は
経口感染症と呼ばれ、
口から細菌やウイルスが入ることで
感染します。

そのため、
食事の前には30秒手洗いをして
菌を落としておく必要があります。

特に
【黄色ブドウ球菌】は、
人の手の
『やけど痕』『切り傷』
などの化膿巣汚染源となります。

手に傷がある場合は
素手でおにぎりなどを握るのは
危険です!

また
ノロウイルスや病原性大腸菌などに
最も感染しやすい場所が
トイレです。

排泄後は便器の蓋を閉めてから流す
また、
トイレ後の手洗い手の消毒などが
当たり前にできることが安全への近道です。

(Amazon商品紹介)

30秒手洗いに最適!

【SATO ノータッチタイマー 手洗い当番】

手をかざすだけでタイマーの
スタートとストップを操作できます。
タイマーに直接触れなくて済むので、
ウイルスや細菌の感染予防にもなります。
既に多くの飲食店などで使われています。

2.すぐに食べる

細菌に汚染された飲食物は、
長時間常温保存することで
飲食物中で細菌が増殖します。

細菌に汚染された食品は、
その後
冷蔵庫(10℃以下)で保存したとしても、
菌の増殖を遅らせることはできますが
菌を死滅させることは
できません!

しかも
室温に戻せばまた増殖を始めてしまいます。

テイクアウト商品やコンビニ弁当など
加熱後であっても常温放置はせずに
すぐに食べるようにしましょう

また
食材の保存にも気を使ってください!

常温でも大丈夫と思いがちな
調味料も、
一度開封したら危険です。
ラベルに記載された
保存の方法を確認して
『開封後は冷暗所に…』
と書いてある場合は
冷蔵庫での保存が安心です。

3.加熱

一度冷めてしまった食品や、
日を置いて冷蔵保存された食品は
十分に加熱しましょう。

細菌の増殖は
見た目や匂いではわかりません!
危ないと思ったら
十分に加熱することが大事です

再加熱する際は
中心部が75℃以上
になることが条件となります。
(食品により加熱時間は変える)

また
毒素型食中毒菌が作る毒素には、
耐熱性(加熱では破壊できないもの)
があるので注意が必要です。

  • 黄色ブドウ球菌が作る
    エンテロトキシン毒』は、
    加熱では
    破壊できません。
  • ボツリヌス毒素は熱に強く
    80℃30分
    または
    100℃10分
    の加熱でやっと無毒化できます。

それ!本当にレトルト食品ですか?

レトルトパウチ食品
と呼ばれる商品は、
密封後に高温加圧殺菌しているので
常温保存が可能です。

しかし
高温加圧殺菌されていない
ただ単に
真空パックされただけのものは
常温保存はできません!✖

レトルトパウチ食品真空パック商品
同じようなパッケージの場合があります。
似ているからといって
レトルトパウチだと思い込まずに
しっかりラベルを見て
保存方法を確認しましょう!

調理時の食中毒予防

食中毒にかかるのは
食べ物を口に入れる場面なら
いつ如何なる時にも起こり得ます。

そして
食中毒患者のほとんどは
家庭内での食事において
発症
しているのです。

その原因として考えられるのは
間違った食材の扱いや処理方法、
加熱不足、長期保存による腐敗、
そして多くは
調理器具の衛生管理
できていないことにあります。

調理器具の衛生管理

特に気を付けたいのが、
まな板と包丁の状態です。

例えば

肉を切ったまな板で野菜を切った

野菜を切った包丁で魚の刺身を切った

これらは食中毒発生の危険があります。

野菜は大丈夫だと思いがちですが、
生野菜の表面には
稀に
大腸菌などの細菌
が付着している場合があるのです。

飲食店の厨房では、
野菜専用のまな板、包丁
肉専用のまな板、包丁
魚専用のまな板、包丁
といった具合に
それぞれの食材ごとに分けて
用意されています。

それほど生鮮食品の扱いは
慎重にならなくてはいけません。

飲食店では
絶対に食中毒を出してはならないからです。

しかし
さすがに家庭において
これを実行するのは難しいので
せめて
食材ごとに1回1回洗うことをお勧めします

また
洗った後のまな板と包丁、調理器具は、
そのまま放置せずに
きちんと水分を拭き取っておきましょう

細菌は水分があると増殖してしまいます!

使用前に
アルコール除菌✨
をするのも効果的です。

ただし
水で濡れた状態の手や器具に
アルコールを噴きつけても
効果はありません。

必ず乾いた状態で使用しましょう。

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細菌が増殖に必要な5つの条件

1・水分

微生物の菌体には
75%~85%
水分が含まれており、
増殖には
この水分が重要な役割を果たしています。

一般的に水分を多く含む食材ほど
微生物による腐敗を起こしやすくします。

テイクアウト用お弁当のパッケージの蓋に
水滴等が付着している場合は、
十分に冷却する前に
蓋を閉じてしまったことが原因となって、
その水分が
菌の増殖に一役買っています。

特にごはんは水分率が高いので
必ず冷えてから
パッケージしなければなりません。

夏の暑い日ならば、
すぐに食べる場合でも
十分な加熱が必要でしょう。

2・温度

食中毒や経口伝染病の病原菌の大部分は、
30℃~40℃
最も増殖しやすい温度です。

そのため
夏場における
長時間の常温保存は非常に危険です!

3・酸素

細菌の濃度と酸素の関係は、
その種類によって異なります。

酸素が必要な菌もあれば、
酸素を全く必要としない菌もいます。

また
少量の酸素で増殖できる菌もいます。

密封されていて酸素がないからといって
細菌が増殖しない
とは
限らないのです!

安全のためには
やはり十分に加熱することが大事です。

4・栄養素

微生物も生物なので、
増殖には
アミノ酸
糖類
ミネラル
ビタミン類
などの栄養素が必要です。

5・pH

pHとは、水素イオンの濃度のことです。

一般的に細菌
中性またはアルカリ性を好み、
酸性では増殖が阻害されます。

そのため、
お酢
などの酸性の調味料を使った食品は、
菌の増殖を抑制
することができます。

ただし
100%ではないので注意は必要です

細菌はあっという間に
分裂、増殖する!

細菌は、
水分、温度、酸素、栄養、pH
5つの条件が揃った場合に、
20分~30分に1回の割合で
倍々に増殖していきます。

増殖スピードの速い細菌だと
20分で2倍
40分で4倍
たった2時間で64倍にもなります。

ウイルス
体内でしか増殖できませんが、
細菌
食品中で増殖する可能性があるので、
夏の常温放置は大変に危険なのです。

夏に代表的な食中毒菌の種類

カンピロバクター

主に
生の鶏肉から感染します。

加熱してあっても、
食べる前に
火がよく通っているか
確認しましょう。

鶏肉以外にも肉類全般、
よく洗っていない生野菜からも
感染します。

中心部75℃以上
1分以上の加熱で菌は死滅します。

潜伏期間
1~7日。

サルモネラ菌

加熱が不十分
から感染します。

生卵、半熟のオムレツ、レバ刺などは
特に気をつけなければいけません。

中心部75℃以上
1分以上の加熱で菌は死滅します。

潜伏期間
6~72時間。
通常は12~24時間。

腸炎ビブリオ

生食用の魚
貝類及び加工品から感染します。

刺身や寿司などは
気を付けなければなりません。

塩分の無いところでは
あまり増殖しません。

加熱に弱く、
10℃以下の低温では増殖しにくく、
酸に弱いのが特徴です。

中心部65℃以上
5分以上の加熱で菌は死滅します。

潜伏期間
10~18時間。
通常は12時間程度が最も多く、
発症までの時間が短いほど重症。

病原性大腸菌(O157など)

人や動物の腸内(主に大腸)
汚染源とします。

排せつ物により汚染された
トイレ、便器、便座などに触れた
保菌者の手などを介し、
汚染された飲食物の摂取により
感染します。

中心部75℃以上
1分以上の加熱で菌は死滅します。

潜伏期間
8~30時間。
10~15時間の発症がもっとも多い。

アニサキス

アニサキスは寄生虫の一種で、
主に
サケ、カツオ、サバ、サンマ、アジ、
イワシ、イカなどの
内臓に寄生しています。

宿主が死ぬと内臓から筋肉へ移動し、
それ
を人が食べることで、
アニサキス症が起こります。

アニサキスは食べる前に
-20℃で
24時間以上の冷凍

または
70℃以上の加熱処理
をすることで死滅します。
潜伏期間

数時間~数十時間

食中毒症状を発症させないために

食中毒にかかると、
下痢、嘔吐、頭痛、発熱
などの症状があらわれます。

症状が軽ければ
菌を体外に排泄することで
2~3日で治まりますが、
重症化すると脱水症などにより
1週間程度
入院が必要になることもあります。

症状が軽くても
経口補水液などの水分を
いつもより多く摂取することが大事です。

食中毒の原因菌は、
少量なら胃酸の力で死滅させたり、
腸内の乳酸菌によって
菌の増殖を抑制しています。

健康な人、かつ少量の食中毒菌であれば、
ほとんど食中毒症状を
発症するまでには至らないのです。

しかし
体力が弱っている
あるいは
体内に大量の菌が侵入した場合には、
食中毒症状を発症、
重症化する可能性もあります。

同じものを食べたのに
食中毒症状を
発症する人としない人
がいるのは
健康状態に個人差があるからです

普段から
体力免疫力抵抗力をつけておけば
食中毒に感染しても
症状は軽くて済むでしょう。
特に夏場に増えやすい
食中毒菌を増殖させないためにも
まずは
食中毒予防の3原則
守ってみましょう!

最後までお読みいただき
ありがとうございました。