◼️目次◼️
砂糖
グラニュー糖
【原料 製法】
『サトウキビ』『てんさい糖』などから、不純物とミネラルを取り除き、結晶化したものです。
【味と特徴】
サラサラとしていて、水に溶けにくい性質があります。
砂糖の中で最も糖度(ショ糖の純度)が高いとはいえ、コクは少なくあっさりした甘味です。
【使い方】
主に洋菓子やホットドリンクに使用します。
上白糖
【原料 製法】
グラニュー糖に『水分』『転化糖』を加えて結晶化したものです。
【味と特徴】
欧米で砂糖と言えばグラニュー糖ですが、日本で砂糖と言えば上白糖が使われます。
糖度はグラニュー糖に比べるとやや低くなりますが、甘味に『コクと深み』があります。
【使い方】
レシピに『砂糖』とあれば、この上白糖を使います。
グラニュー糖の代用にする場合は、糖度が低いぶん、分量よりやや多めに入れましょう。
黒糖 三温糖
この2つの砂糖は似て非なるものです。
【黒糖の原料】
黒糖の色は『サトウキビ』のミネラルを残して精製しているので茶色っぽくなっています。
【味と特徴】
黒糖は『サトウキビ』のみから作られていて、糖度が低く雑味や苦味があるものの、甘味にコクがあり『ミネラル』や『ビタミン』が豊富で栄養価の高い砂糖といえます。
【三温糖の原料】
上白糖やグラニュー糖と同じ『精製糖』
【味と特徴】
三温糖は糖液を煮詰めることで、『カラメル化』しているので色が付いています。
糖度は低いものの、甘味を強く感じることができるため、甘味を強調したい料理やスイーツに使うと良いでしょう。
砂糖まとめ
とりあえず砂糖が欲しい時は、迷わず上白糖を選びましょう。
『甘味=旨み』というくらい砂糖の加減は料理に重要性を持たせます。
甘味のいらない料理にも、隠し味にほんの少し砂糖を入れてあげると、『深み』が増して抜群に味がよくなることがあります。
塩
食塩
【原料】
『海塩』から作られ、塩化ナトリウム以外のミネラル分は取り除かれ、精製塩とも呼ばれます。
【味と特徴】
塩類の中でも最も塩分濃度が高く、塩辛さが際立ちます。
【使い方】
ほんの少しの分量の違いで味に変化が出るので、食塩で味を決めたい時はひとつまみ(1g未満)ずつ加えていくのがポイントです。
粗塩
食塩が精製されているなら、精製されていないのが、この『粗塩』。
天然塩(自然塩)とも呼ばれます。
【原料】
主に『海水』から作られ、精製されていない分、ミネラルが豊富です。
【味と特徴】
旨みが強く、複雑かつマイルドな味わいを持っています。
【使い方】
最近では家庭でも使われていることが多く、『伯方の塩』や『フルールドセル』と呼ばれる塩はこの『粗塩』に分類されます。
肉や魚など素材の味を強調させるなら、『粗塩』を使うと深みが出ます。
フルールドセル
【味と特徴】
フランス語で『塩の華』と呼ばれ、パッと咲いた花のような結晶が美しく、塩味の中にもまろやかな甘味があるのが特徴です。
『食塩』と比べて塩分濃度は低く、塩辛さが少なくマイルドなのでそのまま素材に付けて食べてもおいしく頂けます。
【使い方】
ステーキや焼き魚、串焼き、天ぷらなどに付けて食べると最適です。
アルペンザルツ
【原料】
『岩塩』から作られているドイツの『アルペンザルツ』は日本でも人気があります。
【味と特徴】
カルシウムなどのミネラルが豊富です。
『粗塩』に比べて苦味が少なくマイルドで、素材の旨みを引き出します。
【使い方】
海塩で作られる『粗塩』がしっとりしているのに対して、『アルペンザルツ』は食塩のようにサラサラとしているので下味に振るには使いやすいでしょう。
多くの飲食店で使われている程、プロも認める塩の1つです。
ハーブソルト(フレーバーソルト)
【原料】
主に『岩塩』に複数種類のハーブやスパイスが混ぜられています。
市販の『クレイジーソルト』や『マジックソルト』と言えばピンとくるでしょうか。
【味と特徴】
塩を降るだけで、簡単に複雑な味を生み出すことができるので人気があります。
自分の好きなハーブやスパイスを配合して作ることもできます。
個人的には『マキシマム』がお気に入りです。
(商品紹介)
『マキシマム』を使ったハンバーグは美味しかったです。
塩まとめ
本当によい素材は塩だけで食べられると言います。
塩なのに甘味を感じる。
その甘味こそが、塩の旨みなのです。
食塩(精製塩)では感じられない、天然塩の旨みです。
料理の味は『塩の良し悪しで変わる』と言っても過言ではありません。
色々な塩を試してみれば、こんなにも風味が変わるのかと実感するでしょう。
食酢
穀物酢 米酢
【原料】
穀物酢は『小麦』『酒粕』『コーン』『米』をブレンドし、醸造しています。
米酢は『米』だけを主原料としてつくられています。
食酢と言えばこの2つが主に使われます。
【味と特徴】
米酢は穀物酢に比べてまろやかで、強い香りがあります。
【使い方】
米酢は加熱するとそのまろやかさや香りは飛んでしまうので、加熱しない料理に使うと良いでしょう。
加熱する場合は酸味の強い穀物酢を使いましょう。
すし酢
【原料】
『酢』『塩』『砂糖』『昆布出汁』などからできています。
【味と特徴】
すし飯(酢飯)を作るための合わせ酢です。
ほんのり甘みのある酸味と出汁の風味を持っています。
【使い方】
甘味と旨み成分が既に含まれているので、ピクルスや酢豚などの甘酸っぱい料理を、砂糖と酢の割合に悩むこと無く簡単に作ることができます。甘味が足りないときは蜂蜜を加えると良いでしょう。
黒酢
【原料】
米酢の主原料が『精米』なのに対して黒酢の主原料は『玄米』です。
【味と特徴】
玄米は栄養価が高く、アミノ酸やビタミン、ミネラルが豊富なので、健康の為に黒酢をそのまま飲む人も多くいます。
【使い方】
コクや旨みが強く、酸味の効いた料理に使えば、深みのある芳醇な味になります。
中国の黒酢は日本では『香酢』と呼ばれ、日本で言う黒酢とは違うものです。
バルサミコ酢
【原料】
主原料はブドウの濃縮果汁で、長期間の樽熟成により作られています。熟成期間が長いほど高価なものになります。
【味と特徴】
『バルサミコ』はイタリア語で『芳香な』という意味です。
栄養価が高く、フルーティーな香りと濃厚な風味が特徴的です。
煮詰めることで『バルサミコクリーム』と呼ばれる、トロミのある濃厚な甘酸っぱいソースに変化します。
【使い方】
イタリアンのイメージが強いかもしれませんが、酢として使え分には何にでも合います。
サラダのドレッシングや肉のソース、煮物や炒め物などに使います。
白ワインビネガー 赤ワインビネガー
【原料】
原料はバルサミコ酢と同じ『ブドウ』ですが、製造法が違います。
【味と特徴】
ヨーロッパで食酢と言えば『ワインビネガー』です。爽やかな香りとサッパリした風味が特徴です。
【使い方】
白ワインから作られる白ワインビネガーは、サラダや魚料理などに。
赤ワインから作られる赤ワインビネガーは、強い果実感とコクがあるので、肉料理や各種ソースに使われます。
ポン酢
【原料】
『醤油』『果実酢』『酢酸』などが、絶妙のバランスでブレンドされています。
【味と特徴】
醤油の風味と果実酢のマイルドな酸味がクセになる味です。
【使い方】
醤油と酢を使う料理なら迷わずポン酢を使いましょう。餃子につけたり、おろしソースにしたり、鍋はもちろん、あらゆる料理の幅を広げる調味料です。
酢まとめ
ひとまず穀物酢があれば問題ないでしょう。
『味が物足りない』『味がぼやけている』と感じる場合、『酸味』が足りていないことがよくあります。
市販のソースやタレに果汁(りんご、もも、柑橘類など)が含まれていることが多いのも、塩味の中に自然な『酸味』を調和してくれるからです。
レモン果汁やライム果汁をそのまま絞っても料理のアクセントになり、味を引き締めてくれます。
酢を使わない料理ほど、酢を入れてみてください。作る量にもよりますが、小さじ1/2くらいなら、酢の味を感じないくらい酸味を加えることができます。
醤油
【原料】
醤油は『大豆』『小麦』『塩』『麹菌』を主原料として作られています。
日本では『大豆』を使うことが醤油の定義となっています。
濃口醤油
日本の生産量の8割以上を占めるのがこの『濃口醤油』です。
一般的に醤油と言えば濃口醤油のことを言いますが、一部関西地区では薄口醤油を指すことがあります。
食塩分は【約16%】です。
【使い方】
和食に限らずパスタやシチューなど洋食の隠し味に使えば、より深みのある味に仕上げることができます。
また、日本人に馴染みの無い外国の料理やソースに、醤油の風味を少し感じるだけで、食べやすさと安心感を与えてくれるでしょう。
薄口醤油
『淡口』とも呼ばれる色が淡い醤油です。
濃口とは製造法が異なり、高濃度の食塩で発酵を抑制するため、色が薄くなる一方で食塩分は18%~19%と濃口と比べて、塩分が強くなります。
【使い方】
素材の色を活かすため、料理を美しく見せるために使われます。
煮物やうどんつゆなどに多く使われます。
濃口と比べて風味や旨みが少ないので、つけたり、かけたりするには不向きです。
たまり醤油
主原料のほとんどを大豆が占めています。
濃厚なとろみと甘味、香りが特徴的で、1年間熟成させることで、他の醤油より旨味成分が強くなります。
食塩分は約16%です。
【使い方】
肉や魚など素材にそのままつけたり、煮物など醤油の風味を活かしたい料理に使います。
再仕込み醤油
醤油を2回醸造することから、再仕込み醤油と呼ばれています。
国内生産量は約1%で、食塩分は16%です。
【使い方】
ドロリと濃厚な味で、高価なものが多く、主に卓上用調味料として使われます。
白醤油
食塩分は18%です。
たまり醤油とは逆に、小麦の割合が多く、大豆を少量加えて作ります。
薄口醤油以上に発酵を抑えているので、色はより淡く透明感があります。
旨みやコクは抑えられていますが、他に比べて糖分が高いのが特徴です。
【使い方】
高級和食店などで使われ、薄口醤油より素材の色を強調させます。
家庭で使うことはほとんどありません。
その他醤油
減塩醤油
減塩と呼ぶには醤油100g中の塩分量が『9g以下』という規定があります。
【使い方】
塩分を必要とせず、醤油の風味だけ欲しいときには便利です。健康の為に使用する場合は量が多くならないように気を付けましょう。(減塩とはいえ、量が多くなれば塩分量も多くなってしまいます。)
めんつゆ
醤油に『砂糖』『昆布だし』『鰹だし』『酒』『みりん』などで加工した醤油調味料です。
【使い方】
和食の煮物に使う調味料の成分がほぼ入っているので、簡単に味を調整してくれます。
何と言っても『出汁の風味』を簡単に出せること。一から出汁を取る必要がありません。
白醤油で作られた『萬藤の料亭白だし』というものがあります。
大変上品な味で出汁の香りも強いのでオススメです。
(商品紹介)
ほんの少量で出汁の風味が際立ちます。
醤油まとめ
基本的には『濃口醤油』が一本あれば、困ることはないでしょう。
更に『めんつゆ』があれば、色々と手間が省けて便利です。
私は『減塩醤油』と『萬藤の白だし』『ナンプラー』などを合わせて使います。
醤油自体に塩分はいらないので、減塩にしています。あくまでも風味が欲しいだけなので。
その分『白だしつゆ』や『ナンプラー』で塩味を補っています。
卓上用で使うなら、たまり醤油や生醤油などがあれば、素材をより味わい深くしてくれます。
『牡蠣醤油』や『TKG専用』など『変わり醤油』も人気があります。
(商品紹介)
味噌
味噌は大きく分けると、『米味噌』『豆味噌』『麦味噌』『調合味噌』の4つがあります。
味噌は分類が多く、原料の違いを始め、色の違い、地方性の違い、甘口~辛口まで、様々です。
なかでも米味噌は出荷数の8割を占めています。
【米味噌原料】
『米』『大豆』『塩』『麹』
ここでは一番馴染みの多い『米味噌』を中心に、それぞれの特徴について触れていきます。
赤味噌
【味と特徴】
長期熟成によりコクがあるのが特徴で、産地が関東から北の地域へいく程『塩辛く』なるようです。
逆に関東から南の地域へいく程、『甘みのある』赤味噌が特徴になります。
【使い方】
塩味やコクが強い赤味噌は、料理の隠し味として少量使えば、簡単に旨みと深みを加えられます。
デミグラスソースやミートソース(ボロネーゼ)などに少量入れると味に深みが増します。
『八丁味噌』
豆味噌(大豆と塩で作られる味噌)に分類され米味噌とは原料製法が異なります。
コクのある甘味が特徴的で人気の味噌の1つです。
白味噌
【味と特徴】
短期熟成により色は淡く白くなります。
熟成期間が短いことで塩分濃度は低く、米麹の糖度が際立ち、甘味があるのが特徴です。
『西京味噌』や『信州味噌』が代表的です。
【使い方】
『西京漬け』などのように肉や魚を漬けたものを焼いて食べる調理法があります。
クリームシチューやホワイトソース、ドレッシングに加えれば、風味が増します。
チーズや白ワインもよく合います。
合わせ味噌(調合味噌)
【味と特徴】
米味噌、麦味噌、豆味噌を2種類以上合わせたものを合わせ味噌と言います。
豆味噌に米味噌を調合した『赤だし味噌』米味噌と麦味噌を調合した『桜味噌』などが有名です。
合わせる味噌の種類によって味も様々です。複雑な味わいが料理に深みを持たせます。
味噌調味料
【味と特徴】
味噌に醤油、砂糖、みりん、出汁などを加えて加工された甘味のある加工味噌です。
【使い方】
料理に甘味を足したいときに少量入れると、コクのある甘味を出すことができます。
ゴマ油を加えて『甜麺醤(テンメンジャン)』の代用として、また『豆板醤』を加えれば『コチュジャン』の代用にもなります。
シチューや洋風ソース、煮物の隠し味にも使える万能な味噌です。
(商品紹介)
味噌まとめ
味噌は地方色が強いので、自分がメインで使う味噌の種類は生まれたときに決まっていると言っても過言ではありません。
様々な種類の味噌に挑戦することで、料理の幅が広がるでしょう。
☆味噌豆知識
味噌は酸化すると、どんどん風味が弱くなっていきます。
スプーンなどで、周りから削っていくと『山型』になり酸素に触れる面積が増えてしまいます。
バターナイフ等を使って、表面を全体的に剥がしていくように取り、保存する時は、表面をラップでピッタリ貼り付けてしまえば、酸素に触れにくく酸化を遅らせます。
味噌は『冷凍庫』に保存すると、風味を比較的保ちやすくできます。
短期間に使いきれない時は冷凍しましょう。
味噌は完全には凍らないので、冷凍庫から出してすぐに使うことができます。
PART2へ続く
読んでくださってありがとうございました。