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【食でつながるコミュニティ】

調理インストラクターが教える!料理が楽しくなる調味料の使い方

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調味料は使う前に味見しよう!

レシピ通りに作れば
必ずしも
『美味しい料理』ができあがる
とは言えません。

『レシビに書いてあるから入れる』
のではなく、

どんな味を加えれば
どんな味になるのかを
で覚えることが大事!

つまり料理よりも先に
調味料そのものを
味見することが重要!

この調味料はこういう味だ
とわかっていることが、
良い味の料理を作る
テクニックになります。 

複数の調味料を扱う場合は、
バランスが必要になりますから
簡単ではありません。

ほんの微量の差で味に変化が出ます。

素材に捕らわれず味付けで勝負するなら
調味料を活かし

素材の味を活かしたいなら
繊細な食材の組み合わせと
調味料とのバランスと調和
が必要です。
まずは
調味料を深く知ること
から始めましょう。

『あの店のあの味を再現したいなぁ』
と思った時に
『パッ』と頭のなかに
調味料と分量が閃いたら、
あなたも味のプロフェッショナル✨

料理にこだわりのある人は
調味料にもこだわりがあります。

では調味料を味覚
カテゴリー分けしてみましょう。

塩味を強調する調味料

『塩』
『醤油』
『味噌』
『スープの素』

甘味を強調する調味料

『砂糖』
『蜂蜜』
『みりん』
『ケチャップ』など

●酸味を強調する調味料

『酢』
『ウスターソース』
『マヨネーズ』
『レモン果汁』など

辛みを強調する調味料

『チリソース』
『豆板醤』
『おろしにんにく』
『おろししょうが』など

苦味を強調する調味料

『ハーブ』
『スパイス』など

塩味が欲しいな』という場合に
を入れれば塩味は補えます。

ですが、
醤油を使えば『塩味』はもちろん
大豆由来の『風味』
も加えることができます。

めんつゆなら
醤油の風味+だしの風味
(醤油より塩味は少ない)
といった具合に
調味料を味覚で覚えておくことは、
味に定義ルールを設けることなく

自由な発想✨
で料理を楽しむことができます。

コク、旨み、深みとは?

よく
コク』が足りないとか
旨み』が少ないとか、
深み』がないとか、
言いますよね?

では、
どうしたらこれらを
補うことができるのでしょう?

味のコクとは?

コクは
味の厚み

いわゆる
薄っぺらい味を補うものです。

主に油脂類が使われます。

『濃厚○○』のような商品も
料理のコクを
強調させたものが多いようです。

コクを補う調味料

『コク』と呼ばれる物のほとんどは
油脂分で補えます。

代表的なものは、
バター
生クリームなどの

乳脂肪分や肉類に含まれる脂肪分です。

ピーナッツバター』もよく使われます。

豚骨スープ』などは、
背脂』を使うことでコクを出しています。

カレーにチョコレートを入れたりしますが、
チョコレートには
カカオバター(カカオの脂肪分)』や
『粉乳』などの
乳脂成分が含まれていますから、
コクを出すには理に叶っているわけです。

また、
胡麻ナッツなどの
植物由来の油脂を使って
コクを出すこともあります。

酸味が欲しいなぁ
という時は『』を使いたくなりますが、
あえて油脂を含む
マヨネーズ
を使うことで
酸味』に加えて
コクを加えることができます。

コクを生み出す油脂類

乳脂成分

バター・生クリーム

動物性油脂

背油・ラード・マヨネーズ

植物性油脂

ビーナッツバター・カカオバター
チョコレート
など

味の旨味とは?

『旨み』とは
いわゆる旨み成分のことです。

昆布野菜に含まれる
グルタミン酸

に含まれる
イノシン酸

キノコ類に含まれる

グアニル酸

これらを組み合わせることで生まれるのが
旨みというわけです。

旨みの基本は
【グルタミン酸にイノシン酸を加える】
または
【グルタミン酸にグアニル酸を加える】
といった、
グルタミン酸
を主軸とした組み合わせを用います。

単体では得られなかった旨みも、
旨み成分同士が合わさることで
強い旨みに変化します。

これを
旨みの相乗効果と言います。

当然これらは調味料にも含まれています。

調味料に
これらの『旨み成分』が入ったものを
上手に使いこなせば、
簡単に旨みを
作り出すことができるわけです。

旨みを補う調味料

代表的なうまみ調味料

味の素があります。

グルタミン酸を含有する調味料です。

『味の素』を敬遠する人が多くいますが
やや誤解があるみたいです。

『体に悪い成分が含まれている』
と言われていますが、
それは大間違い!

味の素
天然のサトウキビから抽出した
糖蜜を発酵し
粉状にしたもの

ご覧のように
体に悪いものなど微塵も入っておりません。

味の素を3~4振りするだけで
簡単に
旨み成分
を加えることができます。

甘味』と『酸味
が必要な場合は、
砂糖』と『』ではなく
ケチャップ
を使ってみましょう。

どちらの味も補えますし、
トマトに含まれる旨み成分である
グルタミン酸
を一緒に加えることができます。

めんつゆ
だし醤油
昆布エキスグルタミン酸
鰹ぶしエキス
イノシン酸を含んでいるので、
これだけで
『相乗効果』が成立しています。 

グアニル酸調味料
なかなか
お目にかかることはありませんが、
主に粉末椎茸として売られています。

または
うまみ調味料』と呼ばれる物に
含まれていることもあります。

このように食材の旨みに加え、
調味料を使って
『旨み』
をコントロールすることもできるのです。

旨みを出す調味料

●グルタミン酸

味の素・ケチャップ

めんつゆ(昆布エキス配合)

●イノシン酸

めんつゆ・だし醤油
(鰹節エキス配合)

●グアニル酸

めんつゆ(椎茸エキス配合)

粉末椎茸・その他うまみ調味料

など

味の深みとは?

深みとは
味の要素
どれだけたくさん入っているか
です。

味の要素とは
『塩味』
『甘味』
『苦味』
『酸味』
『辛み』

のことです。

深みを補う方法

深みを出すのに
味の要素の
全てを感じさせる必要はありません。
それぞれの味を引き立たせるために
バランスよく組み合わせること
が大事なんです!

わかりやすいのは
塩と砂糖の対比効果でしょう。

異なる2種類の味を調合し、
一方の味を強く感じさせる効果です。

砂糖に少量のを入れることで
甘味を引き立たせることができます。

逆に
塩味を引き立たせるため
に少量の砂糖を入れたりもします。

こうすることで、
ただの砂糖味、ただの塩味ではなく、
深み』のある砂糖味
深み』のある塩味に変化させるわけです。

これを応用して
『苦味』『酸味』『辛み』といった
調味料やスパイスを、
メインの『味』に対して
微量のバランスで複雑にしていくことが
『深み』の正体なのです。

その数が多いほど、
味に深みが増していきます。

気を付けて!

何だか味が物足りない?
こんな時にやりがちなのが、
塩味を足してしまうこと。

それでは塩辛くなってしまうだけ
味の物足りなさを補うことはできません。

こんな時足りていないのは
実は酸味
である場合がほとんどです。

塩味や甘味を主張する料理に
『酸味』を加えるのは
なかなか抵抗がありますよね。

しかし酸っぱい味に
したいわけではありませから
酢類を
ほんの少しだけ入れるのがポイント!

かんきつ果汁』でも構いません。

まずは数適から
小さじ1くらいを入れてみましょう。

あくまでも
味が酸っぱくならないように、
入っていることがわからないくらい
が丁度良いでしょう。

深みを生み出す方法

●味の要素を増やす

塩味』
甘味
苦味
酸味
辛み

●対比効果を利用する

塩に少量の砂糖を加える

砂糖に少量の塩を加える

など

●少量の酸味を加える

酢やかんきつ果汁を加える

など

料理はそのままで
調味料を変えてみる

同じ役割を持つ調味料を変えるだけで、
いつもと違った風味
を感じることができます。

例えば
 塩味を出したいときに、
塩を使うのではなくて
コンソメの素』や『中華スープの素
を使ってみる。

また、
天然塩』を使えば、
自然の塩の甘味を感じることができます。

甘味を出したいときには、
砂糖ではなく『蜂蜜』を使う。

酸味を加えたいなら、
酢でなく『かんきつ果汁』に変えてみる
など。

こうするだけでいつもとは一味違った
風味に変化させることができるはずです。

様々な料理と調味料の組み合わせ
にチャレンジしてみることが、
料理を楽しむことに繋がります。

高価な調味料を使えば
料理の味は良くなるのか?

同じ塩でも
食塩(精製塩)から天然塩(自然塩)のように
ミネラルや旨みのある塩まで様々あります。

価格は食塩に比べれば天然塩は倍以上、
物によっては、
食塩1kgの価格と
天然塩100g
価格が同等だったりします。

では
価格の高い調味料を使えば
味はおいしくなるのか?

確かに高価な調味料は、
味も違えば風味も栄養価も
断然高いと言えます。

それだけで
十分に味わえるものだとわかります。

ですが、
料理の味を良くするために
高価な調味料が必要かどうかは、
首をかしげてしまいます。

調味料
調味するための材料
ですから、
素材と調味料との調和が最も重要!

映画やドラマなら
脇役が主役を食ってしまうように
調味料に素材が負けてしまっては
本末転倒ですよね。

素材を活かすこと
調味料の役目
です。

たとえ安価な調味料を使ったとしても、
そのバランスや調和が整ってさえいれば、
味の良い料理に仕上げることは
可能なんですよ!

最後までお読みいただき
ありがとうございました。