◼️目次◼️
⚠️テイクアウト商品はすぐに食べるようにしましょう!
夏場に食中毒が多い理由
食中毒が最も多くなる時期は
湿度が高くなる6月から7月。
そして8月下旬頃から9月とされています。
食中毒を引き起こす細菌にとって、
高温多湿は増殖する最適な条件だからと言えます。
また8月下旬頃から食中毒がピークを向かえる理由として、
夏バテ等による体力、抵抗力の低下が
1つの原因と言えます。
体が弱っていると、食中毒に掛かりやすくなるということです。
普段から免疫力、抵抗力をつけておけば食中毒に感染しても症状は軽くて済みます。
また細菌性食中毒には、
原因菌に汚染された飲食物を摂取し、菌が腸管内で増殖して起こる
【感染型食中毒】と
原因菌が飲食物中で増殖した際に毒素が作られ、これを含んだ飲食物を摂取して引き起こす
【毒素型食中毒】の2つがあります。
【主な感染型食中毒】
- サルモネラ菌
- カンピロバクター
- 腸炎ビブリオ
- 病原性大腸菌
- ノロウイルス
【主な毒素型食中毒】
- 黄色ブドウ球菌
- ボツリヌス菌
食中毒予防の3原則
厚生労働省は、
『食中毒予防の3原則』
を次のように発表しています。
1.食べ物に細菌を付けない→必ず手洗い
2.細菌を増やさない→すぐに食べる
3.付着した細菌をやっつける→加熱(中心部75℃、1分以上加熱/食品により加熱時間を変える)
(出典 厚生労働省)
細菌はウイルスやカビ等と同様に衛生微生物と呼ばれ、人や動物の体内に侵入し病原性を発揮します。
1.手洗い
食中毒に限らず多くの感染症は経口感染症と呼ばれ、口から細菌やウイルスが入ることで感染します。
その為食事の前には手洗いをして菌を落としておく必要があります。
今や手洗いは国民の義務と言っても過言ではないでしょう。
30秒手洗いをしっかり続けていきましょう。
特に【黄色ブドウ球菌】は、
人の手の『やけど痕』や『切り傷』などの化膿巣が汚染源となります。
手に傷がある場合は素手でおにぎりなどを握るのは危険です。
またノロウイルスや病原性大腸菌などに最も感染しやすい場所が『トイレ』です。
排泄後は便器の蓋を閉めてから流す。
トイレ後の手洗いはもちろん、手の消毒をする。
このような対応が当たり前にできるようになるとより安心です。
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2.すぐに食べる
細菌に汚染された飲食物は、長時間常温保存することで、飲食物中で細菌が増殖します。
細菌に汚染された食品は、
仮に冷蔵庫(10℃以下)で保存した場合であっても、菌の増殖を遅らせることはできますが、死滅させることはできません。
室温に戻せばまた増殖を始めます。
テイクアウト商品やコンビニ弁当はできるだけ速やかに食べるようにしましょう。
食材の保存の仕方にも気を使いましょう。
常温でも大丈夫と思い込みがちな調味料も、開封したら冷蔵庫に入れたほうが良いものもあります。
ラベルの保存の仕方を見て、
『開封後は冷暗所に…』
と書いてある場合は冷蔵庫に入れたほうが安心です。
また、レトルトパウチ食品と書いてあるものは、高温加圧殺菌しているので常温保存できますが、真空パックしているだけのものは常温保存できません。
似たようなパッケージだからといって、レトルトパウチだと思い込まずにしっかりラベルを見て保存方法を確認しましょう。
3.加熱
一度冷めてしまった食品や日を置いて冷蔵保存された食品は、電子レンジ等で十分に加熱するようにしましょう。
再加熱する際は中心部が75℃以上になることが条件となります。
また、毒素型食中毒菌が作る毒素には耐熱性(加熱では破壊できないもの)があるので注意が必要です。
- 黄色ブドウ球菌が作る『エンテロトキシン毒』は、100℃20分の加熱でも分解されません。この毒素は加熱で破壊できません。
- ボツリヌス毒素は80℃30分、100℃10分の加熱で無毒化できます。
細菌が増殖に必要な5つの条件
1.水分
微生物の菌体には75%~85%の水分が含まれており、その増殖に水分が重要な役割をはたしています。
一般的に水分を多く含む食材ほど微生物による腐敗を起こしやすくします。
テイクアウト用お弁当のパッケージの蓋に水滴等が付着している場合は、十分に冷却する前に蓋を閉じてしまったことが原因となり、その水分が菌の増殖に一役買ってしまいます。
特にごはんは水分率が高いので必ず冷えてからパッケージしなければなりません。
暑い日ならば、すぐに食べる場合でも十分な加熱が必要なのです。
2.温度
食中毒や経口伝染病の病原菌の大部分は、30℃~40℃が最も増殖しやすい温度となります。
夏場の長時間常温保存は非常に危険です。
3.酸素
細菌の濃度と酸素の関係は、その種類によって異なります。
酸素が必要な物もあれば、酸素を全く必要としない物もあります。
また少量の酸素で増殖できる物もあります。
密封されているから細菌が増殖しないとは限らないので、必ずしも安全とは言えません。やはり十分な加熱が必要です。
4.栄養素
微生物も生物なので、増殖には栄養素が必要です。
主にアミノ酸、糖類、ミネラル、ビタミン類です。
5.pH
pHとは、水素イオンの濃度のことです。
pH7が中性、7以上がアルカリ性、7以下が酸性となります。
一般に細菌は、中性またはアルカリ性を好み、酸性では増殖が阻害されます。
酢などの酸性の調味料を使った食品は、菌の増殖を抑制します。
ただし100%ではないので注意は必要です。
細菌はあっという間に分裂増殖をします
細菌は、水分、温度、酸素、栄養、pHの条件が揃った場合には、20分~30分に1回の割合で倍々に増殖します。
ウイルスは体内でしか増殖できませんが、細菌は食品中で増殖する可能性があります。
夏場の代表的な食中毒の種類
カンピロバクター
主に生の鶏肉から感染します。
加熱してあっても、食べる前に火がよく通っているか確認しましょう。
鶏肉以外にも肉類全般、よく洗っていない野菜からも感染します。
中心部75℃以上1分以上の加熱で菌は死滅します。
(潜伏期間1~7日)
サルモネラ菌
加熱が不十分な肉、魚、卵から感染します。
生卵、半熟のオムレツ、レバ刺などは特に気をつけなければいけません。
中心部75℃以上で1分以上の加熱で菌は死滅します。
(潜伏期間6~72時間、通常は12~24時間)
腸炎ビブリオ
生食用の魚や貝類及び加工品から感染します。
刺身や寿司などは気を付けなければなりません。
塩分の無いところではあまり増殖しません。
加熱に弱く、10℃以下の低温では増殖しにくく、酸に弱いのが特徴です。
(潜伏期間10~18時間、通常は12時間程度が最も多く、発症までの時間が短いほど重症)
中心部65℃以上5分以上の加熱で菌は死滅します。
病原性大腸菌
人や動物の腸内(主に大腸)を汚染源とします。
排せつ物により汚染された、トイレ、便器、便座などに触れた保菌者の手などを介し、汚染された飲食物の摂取により感染します。
(潜伏期間8~30時間、10~15時間の発症がもっとも多い)
中心部75℃以上で1分以上の加熱で菌は死滅します。
最後に
細菌の増殖は見た目や匂いではわかりません。
ですから、危ないかなと思ったら十分に加熱することです。
食中毒にかかると、下痢、嘔吐、頭痛、発熱、などの症状があらわれます。
症状が軽ければ菌を体外に排泄することで2~3日で治まりますが、重症化すると脱水症などにより1週間程度の入院が必要になることもあります。
症状が軽くても経口補水液などの水分をいつもより多く摂取しましょう。
テイクアウト食品だけでなく、自炊の際にも十分気をつけていただきたいと思います。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。