牛肉となる主な牛の品種
ホルスタイン種
日本では『国産若牛』と呼ばれています。
交雑種
黒毛和種とホルスタイン種の掛け合わせ等
和種
黒毛和種
褐毛和種
無角和種
日本短角種
この4種のみが和牛と呼ばれます。
輸入牛肉の品種
アバディーンアンガス種
ヘレフォード種
牛肉の輸入元であるオーストラリアや米国での主力生産牛です。
⭐️豆知識
外国産牛であっても3ヶ月以上日本で肥育されたものは国産牛とうたえます。
牛肉の主な部位
ネック
首周りの肉です。
筋肉が発達していて、きめが粗く硬いというのが特徴です。
硬いのでじっくり煮込む料理やひき肉として利用されます。
タン
ご存じ牛の舌です。
舌の付け根(タンモト)は、脂肪がのった霜降り状の柔らかな部位です。
じっくり煮込むと柔らかくなります。
焼き肉の定番だったり、タンシチュー等にします。
肩
腕の部分を総称して『肩』と呼びます。
みすじ、さんかく、とうがらし、ざぶとん
など数多くの筋肉が集まっています。
肉色は濃いめでうまみ成分たっぷり。
味は濃厚でエキス分やゼラチン質が多い部位です。
肩ロース
最も大きな部位の1つです。
米では『チャックアイロール』と呼びます。霜降りが適度にあり、きめが細かく、
風味の良い濃厚な味が特徴です。
スーパーなどで最も手軽に購入できる部位です。
ステーキや薄切りにして焼き肉やすき焼きにします。
リブロース
胸最長筋の最も肉厚な部位です。
米では『リブアイロール』、
豪では『キューブロール』と呼ばれ、
ステーキ肉やローストビーフとして使われます。
霜降りが入りやすく、
きめが細かい上級の部位です。
柔らかく脂の濃厚な旨みがあります。
焼き肉やすき焼き、しゃぶしゃぶにも適しています。
ヒレ
サーロインの脊椎内側の細長い筋肉部分です。
仏では『フィレ』
米では『テンダーロイン』と呼ばれます。
霜降りが入りつつも脂肪は少なく、
きめが細かく柔らかい赤身肉で上品な味が特徴です。
ステーキ、ローストなどに最適です。
⭐️豆知識
高級部位としてしられる『シャトーブリアン』はヒレの中でも1/4しか取れない希少部位で、最も柔らかい最上級部位です。
サーロイン
リブロースからモモに続く部位です。
米や豪では『ストリップローイン』と呼ばれます。
適度に脂が入り込み、赤身肉の凝縮した旨みと甘み、そして脂身のジューシーさを併せ持っています。
ステーキはもちろん、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ローストと色々楽しめます。
ランプ
サーロインにつながる部位で、『ランイチ』と総称される部位の中の一部です。
腰からお尻にかけての大きな赤身で、脂肪は少なく、肉のきめが細かいのが特徴です。
風味もあり柔らかいのが特徴です。
赤身肉としては貴重な部位です。
ステーキ、焼肉、すき焼き、しゃぶしゃぶなどにします。
テール
しっぽです。
煮込むと骨髄の部分がゼラチン状になり、とても美味しく、コラーゲンたっぷりです。
テールスープに使います。
外もも
ももの外側の部位。
全体的に筋肉質な硬めの部位です。
内ももよりすこし硬めです。
薄くスライスしてしゃぶしゃぶにするか、カレー・シチューなどの煮込み料理に向いています。
内もも、しんたま
後ろ股の付け根の内側にある部位です。
『うちひら』『トップサイド』とも呼ばれます。
筋肉質な部位なので、脂肪が少なく赤身で柔らかいのが特徴です。
ステーキ、ローストビーフ、焼き肉、カツレツなどに使います。
すね
牛のすねです。
筋や腱が多く脂肪がほとんどありません。
じっくり煮込むと旨みが出て柔らかくなります。
ひき肉にすると多くのおいしい料理の素材となります。
煮込み料理やスープストックを取るのに最適です。
すねひき肉はハンバーグに合わせれば美味しさがアップします。
ハラミ
横隔膜の筋肉の部位です。
米や豪では『ハンギングテンダー』と呼ばれます。
腰椎に接する部分は『サガリ』と呼ばれ、
ハラミよりも脂肪が少ないので、
少しかたく感じるかもしれません。
ハラミは柔らかく脂肪も豊富で旨味があります。
カロリーは控えめで焼き肉の定番になりつつあります。ステーキも人気です。
バラ
カタバラとトモバラがあります。
カタバラは肩に近く、トモバラは腹に近いアバラ骨の周囲の部位で、『カルビ』とも呼ばれます。
『カルビ』は韓国語で『アバラ』という意味です。
サシが入りやすく味は濃厚です。
言うまでもなく焼き肉の一番人気です。
歩留まり等級と肉質等級
牛肉の格付けは
公益社団法人日本食肉格付協会
によって行われています。
歩留まり等級
等級は歩留まり基準値により、その歩留りで評価されます。
A=72以上部分肉歩留が標準より良いものB=69以上72未満部分肉歩留の標準のものC=69未満部分肉歩留が標準より劣るもの
牛の生体から皮、骨、内臓などを取り去った肉を枝肉(えだにく)といいます。
生体から取れる枝肉の割合が大きいほど等級が高くなります。
つまりAランクと呼ばれるものは、同じ体重の牛の中でも最もたくさんの肉が取れたということです。
肉質等級
以下の4項目を5段階で評価します。
- 脂肪交雑
- 肉の色沢
- 肉の締まりとき
- 脂肪の色沢と質
脂肪交雑においての【評価5】は
胸最長筋並びに背半棘筋及び頭半棘筋における脂肪交雑がかなり多いもの
【4=やや多いもの、3=標準のもの、2=やや少ないもの、1=ほとんどないもの】
肉の色沢においての【評価5】は
肉色及び光沢がかなり良いもの
【4=やや良いもの、3=標準のもの、2=標準に準ずるもの1=劣るもの】
肉の締まりときめにおいての【評価5】は
締まりはかなり良く、きめがかなり細かいもの
【4=やや良くやや細かいもの3=標準のもの、2=標準に準ずるもの、1=締まりが劣り又はきめが粗いもの】
脂肪の色沢と質においての【評価5】は
脂肪の色、光沢及び質がかなり良いもの
【4=やや良いもの、3=標準のもの、2=標準に準ずるもの、1=劣るもの】
(以上出典 公益社団法人日本食肉格付協会)
⭐️豆知識
霜降りの状態は12段階評価になっていて、12が一番高いクラスになります。和牛に多いサシ(脂肪)の色は『白に近い乳白色のもの』が良いとされています。
結局A-5の牛って?
つまりA-5ランクの牛肉とは肉の体積が大きく、かつ肉質の評価が最も高い肉ということになります。
最高ランクであるA-5に評価される牛肉はほぼすべて和牛です。
ただし和牛の中でも約15%しかいません。
交雑種牛の中でも良いものは交雑種最高ランクのB-5、B-4ランクになることがあります。
B-4の交雑種牛とA-2の黒毛和牛の肉を比べた場合、B-4の交雑種牛の方がサシ(脂肪)が多い場合があり、肉も柔らかいなんてことがあります。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。